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京都サンガF.C.の試合レビューが中心。たまに観戦記。

2019シーズンJ2第3節京都サンガF.C. VS アビスパ福岡レビュー~中田サンガはカメレオン?3試合目にして早くも見せたプランB~

 

みなさんこんにちは、ryuです。

 

Jリーグが開幕して3節が終了。段々とチームのスタイルが見えてきた頃ですが、我らが中田サンガはと言うと、

第1節:対新潟 0-0 引き分け

第2節:対鹿児島 2-1 勝利

第3節:対福岡 1-0 勝利

 

近年稀にみるスタートダッシュに成功!

シーズン序盤から躓きJ1昇格争いに加われないモヤモヤを吹き飛ばすような戦いぶりを見せてくれています。

今回は第3節にして早くもプランBのシステムを使ってきた3月9日(土)アウェーのアビスパ福岡戦レビューをしていきたいと思います。

 

両チームのスタメンはこちら。

 

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(田辺選手19番です。。。)

 

サンガは第1、2節では4-3-3で最終ラインに冨田-上夷-宮城-黒木の2CB+2SBでしたが、この試合では冨田の累積警告による出場停止の影響もあってか最終ラインをガラッと変えてきました。(宮城、牟田といった主力が怪我か体調不良なのも大きく影響していると思われる。。。)

CBに本多、闘莉王、安藤のいずれも初先発のベテラン勢を置き、WBは左に黒木、右に石櫃とこちらも経験のある選手を起用。アビスパは両SBが高い位置を取り深い位置からのクロスを多く上げることを特徴としていますので、守備時に最終ラインを5人にすることでそれを防ぐ意図があったと思われます。

前線の選手の役割はほぼ変わっていませんが、今回WBがいることによって小屋松、中野の両WGがどこにポジショニングして攻撃していくのかは注目ポイントとなりました。

CFの宮吉に関してはこれまでIHがいた位置よりも味方が遠くなるので、重廣辺りとの連携でギクシャクしないかという所に注目しました。

 

一方アビスパ福岡はCBの大型新人の三國ケネディエブスが負傷したということで最終ラインを少し変更。實藤がCBに入って石原が右SBになったことでの変化を気にするのと、CFにこの試合では石津が入ったのでクロスからのヘディングではなく、ミドルシュートも気を付けるべきポイントでした。

 

 それでは、いくつか気になるポイントを図を使いながらレビューしていきます。

 

 

<守:5-4-1ブロック>

 

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(田辺選手19番です。。。すみません。。。)

 

この試合のセンターバックは本多-闘莉王-安藤の3人だったわけですが、これが非常に効

果的に機能していました。

本多については昨シーズンまで左SBを務めることが多かったわけですが、この試合ではCBの左として良い働きを見せてくれました。石津や城後にロングボールを入れようとしてもしっかりとヘディングで跳ね返すことが出来ていました。彼は身長は172cmとそれほど大きくないのですが、CKからヘディングシュートを決めるなど驚異的な身体能力を武器に大柄な選手相手でも競り勝つことが出来るのです。この日も城後選手相手にほぼ競り勝ってましたからね。攻撃参加時のスムーズさでいうとこの日得点を決めた黒木に比べると劣る面があるので、今の京都の左SBとしてのタスクをこなせるかは微妙なところですが、3バックを採用する際の戦力として計算できる目途が立ったのではないでしょうか。

アビスパの石津が裏抜けというより降りてきてのボールさばきやミドルレンジからのシュートに終始していたので、ディフェンス陣にとっても守りやすかったと思います。

闘莉王、安藤についてはさすがの安定感で特に危ないシーンは作られませんでしたが、果たしてこれが強力な大柄助っ人相手に封じ込めるかはまだ未知数なところです。

 

一列前の4枚は小屋松-重廣-庄司-中野が並ぶ形で、相手ボランチのウォン・ドゥジェや鈴木にボールが渡らないようにケアしながら、場合によっては重廣や庄司が相手CBまでプレスする形を取っていました。スペースを埋めるというよりはボールホルダーへのアタックを基本としているので重廣の運動量が大きな武器となっています。庄司は前節のようにアンカーの位置ならばそういったスプリントは少ないのですが、この日は何度か篠原や實藤にプレスにいっていました。結果としてそこで相手にロングボールを蹴らせ、それを最終ラインで跳ね返すことが出来ていたので狙い通りだったと言えます。

 

 

 <攻:重心が後ろ寄り>

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一方、攻撃時は3CBがボールを一旦保持し、主に闘莉王からの縦パスがスイッチとなり攻撃をしていましたが、相手のファーストプレスは石津1人のためどうしても後ろが重めになってしまい、石櫃や中野にパスをしても中盤で潰されるシーンが多々ありました。それでも相手の最終ラインの背後を狙ったロングボールを時折混ぜることで繋ぐだけではなく、長いボールもあるんだぞというところは前節同様示していました。宮吉はトラップが絶妙に上手いので、長いボールが収まることで重廣や小屋松が思い切って走れるというのもあると思います。

重廣はこの試合ではシステム上ではボランチでしたが、攻撃時には上図のように最前線へポジショニングしていることも多く、ハーフスペースでボールを受ける意識を高く持つようにと相当に叩き込まれていることが想像できます。この試合でも宮吉と良い連携からゴールに迫るシーンが多くみられ、攻撃時においてはこれまでの試合と大きな役割の違いは見られませんでした。

中野に関してもボールを受けるために下がりつつ中に切り込んで攻撃のリズムを作る動きを見せ、ドリブラーというよりは堂安寄りというか深く切り込んでのクロスではなく、中で相手を揺さぶりながらシュートというタスクを求められているのでしょう。石櫃との連携でどうしてもちぐはぐなところが見受けられたのはしょうがないでしょう。

 

<ボール保持を生かしたゲームの締め方>

80分以降は試合をリードしていたこともあり無理に攻撃を仕掛けることはなかったのですが、相手の攻勢に受け身になるのではなくしっかりとボールを保持して時間を使うことに成功しました。これまでのサンガはリードしていても終盤に押し込まれて追い付かれたり、逆転を許したりと詰めの甘さから勝ち点を落とす試合が幾つもありました。しかし今年は違います!しっかりと試合を締めることが出来るのです。

開幕戦のように同点の場面でボールを単純に放り込まないことでじれったく思うこともあるでしょう。しかし今年のサンガは単純なクロスに頼ることなく、相手のディフェンスラインを崩し切ることを狙っていますので、スタジアムで放り込めー!とかクロス入れろー!とかいうヤジはナンセンスと言えるでしょう。

中田サンガのやりたいサッカーをもっともっと理解して、良い雰囲気のスタジアムを作っていきたいですね。

 

<次節に向けて>

次節は3/17(日)柏レイソル戦となります。

因縁のGMやら15番やらいますので勝ちたいと思っているサポーターは多いでしょうが、レイソルはJ2とは思えない選手を多く擁しており、間違いなく強敵です。

オルンガ、クリスティアーノ、瀬川、江坂とかチート級ですからね。相手に多くシュートを打たれるのは覚悟しなければなりません。ビルドアップのところでイージーなミスからボールを失うシーンが何度かありますので、これをレイソルの選手相手にしてしまうとショートカウンターからの失点は容易に想像できます。。。

 

とはいえ、私は今シーズン初の西京極へ行く予定ですので、非常に楽しみです。

 

宮城、牟田といったDFの主力組がTMに出ていないのは不安要素ですので、特にDFラインの選手起用はひとつ注目ポイントになるでしょう。

前節のように4バックに戻すのか、それとも引き続き5バックでいくのか。

私の考えとしては左WBに冨田、右WBに黒木でいくのではないかと思っています。石櫃の右足は今のサンガに求められているものではないと思うので。。。

 

シーズン序盤で2つのシステムを使い分けることが出来るメリットを生かして、相手の良さを潰すサッカーがこれからも見せていってほしいです。

策士の中田サンガにこれからも注目です!!

 

 

では、また。