2018.6.30京都サンガF.C.アウェー甲府戦レビュー
皆さんこんにちは、ryuです。
最近サイドバックの選手が重要視されるようになって嬉しいです。
小学生の頃は地元の小学校のサッカーチームに所属しておりまして、左サイドバックでプレーしていました。あの頃は戦術なんかこれっぽっちも分かっておりませんでしたので、SHから受けたボールをウチには長身選手いなかったのにクロスを放り込んだり、点が欲しくてやみくもにオーバーラップしておりました。なので裏抜けの得意な相手選手がいると、ズバズバ裏のスペース通されてましたね。
さて、昔話は置いといて、今回は6/30に中銀スタジアムにて行われた試合を通して、サンガの守備組織の問題点について考察したいと思います。
こちらが試合のハイライトになります。
前半取り合った得点のみで1-1のドローとなったわけですが、後半はいつ点を取られていてもおかしくない状況でした。
やはり前半戦を終えてクリーンシートが無い状況ですので、守備時の状況について考えたいと思います。
この日のサンガは左から、宮城(180cm)-増川(191cm)-染谷(184cm)の重量級3バック。3人とも高さとフィジカル能力には優れるものの、ビルドアップ能力と裏抜けに対するケアに欠けるという似たような特徴を持っています。
WBには左に本多、右に石櫃。本多は今シーズンに入ってから自信を無くしているのかSHを追い抜いてのオーバーラップがほとんど見られないようになりました。そして相変わらずポジショニングの悪さは変わりません。(この試合の失点シーンにも絡んで)石櫃は本多とは逆にオーバーラップ大好き坊主なので、ビルドアップ時もタッチライン際のかなり高い位置にポジショニングしています。実際クロスも多いのですが、当然その空いたスペースを狙われているのも確かです。
対する甲府の攻撃陣はバホスのワントップ、その後ろに左に小塚、右にリンスをおいて、流動的にロングボールによる裏抜けを狙っているようでした。
失点シーンに繋がる島川から小塚へのパスのシーンの図がこちらです。
前半19分30秒前後のシーンなのですが、島川にボールが渡ったときにリンスがボールを受ける素振りをみせ、それに増川がついていきます。3CB+2WB=5DFでのライン形成していたのが、増川のみが上がったためにその後ろにスペースができ、そこに小塚が走りこみます。
ボールは少し外に逸れたので小塚はペナ外までダイアゴナルな動きをし、宮城と1対1の状況を作り出します。
その後ろでは増川と本多が湯澤をマークせず中途半端なポジショニングを取ったために湯澤がゴールライン際までスプリントします。
ぎりぎりで追いついた湯澤は中は見ていなかったと思いますが、バホスとリンスがいることは分かっていた為、グラウンダーでのクロスを上げます。
ニアにいたバホスには染谷がついていたため潰せましたが、リンスには福岡がすぐそばにいたにもかかわらず全くのボールウォッチャーになっていたため、またボールが来るぞという用意も怠り、結果的にそこにボールが渡り失点を喫してしまいました。
リンスはワントラップする余裕があったわけですからね。福岡は予測してなかったからといって転げるのではなく、相手に寄せてシュートコースを半分でもいいから消すべきです。でないと、清水はノーチャンスでしょう。
このように自陣深くをえぐられクロスから失点するシーンは、今シーズン幾度と無く見てきた光景です。クロスに限らず、CK等のセットプレーからも多くの失点を喫しています。
原因としては、守備時のポジショニングなどの原則、周囲の声掛けが少ないことによるものだと考えます。
特に染谷と増川のコンビがチグハグしている印象です。
染谷に関しては年々1対1の局面でぶち抜かれるシーンが多くなってきた印象で(大宮戦でのマテウスに対して等々。。。)、増川に関してはポジショニングが悪いので、相手の動きに対応できず勝手に転んで失点といったシーンがありました。
彼らが声を掛け合っているシーンというのをほとんど見ないですし、増川はもう少しベテランとして声を出せるのかと思ったらどうも一匹狼タイプのようです。先述したシーンでも、増川が上がる必要は無く、エスクデロへのマークの受け渡しでよかったと考えます。
染谷が増川にポジショニングの修正を指示し、勝手にDFラインを飛び出したり無理にボールを持ち運ぶ必要はないと言うべきです。
また、CK時に染谷増川両選手とも上がるのですが、染谷はまだしも増川は身長の割りに競り勝てていないので、後ろに残してカウンターに備えた方が良いと思います。(出来れば、もう少し走れる選手がCBがいたら。。。)
先日、清水より中国人DF呉少聡の期限付き移籍が発表されたので、若手の育成にもチャレンジしてほしいです。
また、中盤のアンカーの位置にはエスクデロが入っていましたが、彼は攻撃時には効果的なパスやボールキープでチャンスを作り出しますが、守備のときはお散歩してますからね。アンカーの位置で守備に戻らないと、DFとしてもちょっとつらい。ここ2年課題となっているゲームメーカー不在問題は続いているのです。。。仙頭にしろ望月にしろ守備のタスクが小さいのが問題で。やはり吉野のバランスの良さが効いていたわけです。
カセラス、エスクデロと抜けたわけですので、望月を入れるのか、仙頭を後ろに下げるのか、宮城をいれるのか気になるところです。
サンガの記事を書くとどうしてもネガティブなことばかりになってしまいますので、アウェー中心に実際にスタジアムに行って 、クラブごとの雰囲気をまたお伝えしていきます。
(7/25町田、8/11岐阜、9/1横浜 オールアウェー参戦予定)
2017.10.24 インテル-サンプドリア観戦記
皆さん、こんにちは。 ryuです。
昨年の10月にイタリア旅行に行きまして、レーティッシュ鉄道でスイスのアルプスを堪能したり、コロッセオで歴史の奥深さに感銘を受けたり、ウフィツィ美術館でフィリッポ・リッピの作品に感嘆の声を挙げたり()したわけですが、
ミラノでは、スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(通称サンシーロ)に行って、スタジアムツアーに参加したり、セリエA第10節インテル-サンプドリア戦を観戦したので、今更ながらその時の様子をお伝えしたいと思います。
10/19
まず、ミラノのドゥオモ近くにあるインテルショップに向かいます。
すぐそばに、ACミランとユヴェントスのショップがあったのですが、なかなかインテルのショップが見つけられず。やむなくユヴェントスショップの店員さんに場所を聞くことに。ライバルチームのショップの位置を聞くということで下手したら殴られるかもと思い、出来るだけやさしい店員さんに聞いて、事なきを得ました。
長友選手のサインもちゃんとありました。
当初はレプリカユニフォームを買おうかと思っていたのですが、あまりに寒くてナイトゲームにユニフォームで応援するのは無理だなと思い、パーカーを60€で買いました。
ユニフォームは倍くらいの値段なので、だいたいJリーグと同じくらいです。
ちなみに、この後に行くサンシーロにもインテルショップがあります。値段、品揃え共に同じです。
その後、スタジアム見学をするために、サンシーロへ向かいます。
そもそもSan Siro(サンシーロ)とは、ミラノ西部にある教会の名前で、スタジアムのある地区一帯のことを指します。
そこから、ACミランのファン(ミラニスタ)は「サンシーロ」と呼んでいます。
インテルのファン(インテリスタ)は1920~40年代にインテルを中心に活躍し、アッズーリとしても数々のゴールを量産したGiuseppe Meazza(ジュゼッペ・メアッツァ)さんの栄誉をたたえ、スタジアムのことを、この英雄の冠の名で呼ぶようなったそうです。
ただ、私は言いやすいのでサンシーロと呼びますけど笑
さて、サンシーロへは地下鉄で向かいます。
どこかのサイトでM1:Lotto駅から歩くのが良い、と書いてあったので歩いたのですが、これがものすごく遠い。。。
イタリアの10月は気温差がかなりあり、白昼に30分以上も歩くのはめちゃめちゃつらいのです。
途中バンバントラムが隣を走ってるし、見えたかと思ったら競馬場やし。。。
おそらく40分くらいは歩いたと思います。
2015年のミラノ万博を機に地下鉄が延伸し、M5:San Siro Stadio駅が最寄りとなったようです。
10/24の試合当日は間違えないようにと、心に誓います。
奥にチラッと見えるのがスタジアムです。
でか過ぎて近くで写真を撮れない・・・
そして、チケットを窓口で購入します。
サンシーロは8万人以上収容の巨大なスタジアムなので、ミラノダービー等人気ゲーム以外は、ネットで早目から買わずとも現地で購入することが出来ます。
今回観る試合はミッドウィークで相手が中位チームということで、難なく良い席を買うことが出来ました。
今回買った席は、バックスタンド1階のホーム側10列目くらいでした。(Primo arancio)
60€くらいだったような。結構なお値段です。
店員のおっさんに「早く選べ」「ホーム側いったら暴れている奴に絡まれるぞ」等々脅されたのですが、ちゃんとホーム側選びました。これが結果的にウォーミングアップを間近で観れたり長友の左サイドのオーバーラップを観れたりしたので良かったです。(確かに試合開始前に暴れて退場したサポーターはいましたが。)
セリエAではチケットに名前が印字されます。チケット購入時とスタジアム入場時にパスポートを忘れないようにしましょう。
今まで観たことのないスタジアムのサイズ感に圧倒されました。
ここでプレーする選手たちの喜びとプレッシャーの大きさは計り知れません。
ここで、インテルのロッカールームにも入れるのですが、なんと、
37:DF Milan Škriniar (ミラン・シュクリニアル)選手に遭遇しました!!
2017-18年シーズン、サンプドリアからインテルに加入し、強烈な対人能力の高さを武器にミランダと不動のCBコンビを組んでいる選手です。
シュクリニアル選手のほうが年下なんですが、圧倒的存在感。とにかくでかいです。でも優しい。ガールフレンドとワンちゃんとひたすらイチャイチャしてました。肝が据わってます。
引用:Instagramより
その時の写真がバルボラさんのインスタに載っています。
10/24
いよいよ、試合の日がやってきました。
今度は地下鉄は間違えません。
M5線に乗ると、インテリスタだらけです。世代や性別を超えて様々な人がサッカー好きであることが実感できます。
席に着くと、やはり「ナガトモ!」と声を掛けられますし、ガラタサライに完全移籍しましたが、彼がインテルで残したものは本当に大きいと思います。
引用:Youtubeより
試合の方はというと、前半18分、CKからのこぼれ球をシュクリニアルが押し込んで先制!彼はCBながら、セットプレーからの得点が実は結構あるんです。
まさか、私の観てる試合で本当に決めてくれるとは。感無量です。
その後もインテルが一方的に攻め込む展開。FW:9 イカルディのドッピエッタ(2得点)もあり、3-0とリードを広げます。しかし、そこからサンプドリアも攻勢を強め、2点を失ってしまいます。その後は同点弾は許さず、3-2でインテルの勝利。火曜の夜にもかかわらず集まった5万4000人という観客数。イタリアはW杯出場を逃し、セリエは力を失ったと言われていますが、ビッグクラブの力強さは十二分に感じました。
長友が交代するときは、サポーターからスタンディングオベーション。
MF:44 ペリシッチ(クロアチア代表)と息のあった連携で左サイドを駆け上がり、ミドルシュートを打つなど存在感抜群。
守備でもボール奪取に貢献していました。
やはり海外のスタジアムで観るサッカーは、国内とは雰囲気が全く違います。
応援の仕方、サッカーを観るポイントが違うような気がします。
ゴールだけが全てではなくて、良い働きをした選手に最大限の賛辞を贈ることが習慣付いているように感じました。
これはやはり、サッカーの歴史が長いからこそ、目が肥え、文化として根付いているのです。
次はCLの舞台で観に来ることを心に誓い、スタジアムを後にしました。